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第2回 何が変わって何が変わらないのか 〜これからの演歌歌謡曲業界〜

今から18年前に音楽でメシが食えるようになり、それから完全な在宅ワークになり、5年で体重が15kg増えた。喘息の持病があるので、月1回の定期検診を受けているのだが、血液検査の結果「脂肪肝」と診断され、体重を落とすよう医師からの指導があった。それからジムに通ったが、体脂肪は少しずつ減るのだが、なかなか体重は落ちず3年たった。まあ、筋肉がついて代謝が良くなり食欲がでてきて、たくさんメシを食ったというわけだ...

第1回 何が変わって何が変わらないのか 〜これからの演歌歌謡曲業界〜

僕の在宅ワーク歴はそこそこ長い。作編曲でメシを食えるようになってから18年、その前の兼業音楽家時代が9年、計27年になる。新型コロナウイルスのパンデミックが起きている現在も、特に生活スタイルは変わらない。ただ、仕事がなくなった。たぶん、在宅ワークで完結できる編曲家としてのオファーであったと思うが、3月に受注した仕事があったので、ありがたいことに4月の下旬までは仕事で忙しい日々を過ごすことができた。...

オリコン「週間アルバムランキング」110位「中澤卓也(日本クラウン)/繋ぐVol.2〜カバーソングス"NO BORDER"〜」

僕が全曲を編曲させていただいた、中澤卓也さんのカバーアルバムが、12/16付けのオリコン週間アルバムランキング300において、110位にランキングされた。僕にとっては、シングルがオリコンのランキングに入ることは時々あるが、アルバムのランキングは初めてだ。中澤卓也さんは2017年に「第59回 輝く! 日本レコード大賞」において新人賞を受賞した、演歌歌謡業界の将来を担う逸材だ。年齢も24歳とのことで、若き才能...

オリコン「週間シングルランキング」143位「海鳥兄弟/義貴(ホリデージャパン)」

僕の編曲した「海鳥兄弟/義貴」が11/4付けのオリコン「週間シングルランキング」で143位、11/18付けで197位にランクインした。サウンドスキャンという、全国CD販売店のPOSデータを集計した指標の週間ヒットチャート(10/21〜10/27)では、なんと1位だったとのこと。義貴さんの歌のレコーディングに立ち会い、いろいろとお話させていただいたところ、江差追分全国大会で優勝するなど、数々の民謡のコンクールを総なめした民謡歌手と...

癒される美しいMV「君のためにできること/大下香奈(ホリデージャパン)」

ある有名なソムリエが、ブログで「ワインは価格が正義」と書いていた。高価だから美味いとか、味が今ひとつでも低価格ワインが良いとか、そんな意味ではないようだ。高価で不味いワインもあるし、低価格で程々に美味しいワインもある、と言う意味だったと思う。ワインは環境の変化の影響を受けやすく、保存方法や運搬方法で味が変わる。赤道直下をコンテナ船で、50度以上の温度で熱せられたワインは、もちろん論外に不味い。フラ...

オリコン「週間演歌歌謡シングルランキング」23位!「笑顔の花束/藤森美伃(徳間ジャパン)」

先日、僕が編曲をした「笑顔の花束/藤森美伃(徳間ジャパン)」のプロモーション動画のPV数が伸びている記事を書いたが、昨日発表のオリコン週間ランキングで「週間シングル 118位」「週間演歌歌謡シングル 23位」になった。その記事に書いたYouTubeの動画のPV数も現時点で12221PVに躍進している。普通は、リリース日に瞬発力でセールスを出して、その週のオリコンランキングに入るケースが多いように思う。しかし、2/6リリー...

僕の編曲した「笑顔の花束/藤森美伃(徳間ジャパン)」のスポット映像が公開されている

最近、理由がないのに涙がでる。歳とって涙もろくなったのか。心が疲れて「うつ」になってしまったのか。いろいろとググってみたところ、そんな大仰のものでなくて、いよいよ花粉症デビューのようだ。幼い頃からハウスダスト系アレルギーは強力で、IgE抗体検査350の喘息とアレルギー性鼻炎持ちなのだが、花粉症は幸いなことに皆無であったのだが。リアルでお付き合いのある方は、花粉症でズルズルにボロボロになっても、生暖かく見...

11/21発売「勝手にしやがれ/オッサンズ(川崎麻世・大沢樹生)」の編曲を担当

11/21発売「勝手にしやがれ/オッサンズ(川崎麻世・大沢樹生)」の編曲を担当した。この楽曲は、誰もが知っている沢田研二さんの大ヒット曲をリメイクしたものだ。元曲の編曲は、僕らアレンジャーにとってカリスマである船山基紀さん。その船山基紀さんの代表作であり、完璧なアレンジであり、誰もが一瞬にしてわかる物凄いイントロがあり、非常なプレッシャーだった。どなたか歌手の、昭和のヒットからのカバー曲として、アルバ...

7/17付 オリコン デイリーシングルランキング19位「Soul Cry/Because」

アレンジャーという職業は、縁の下の力持ちだ。CDなどの音楽制作において、音楽家が関われる最後の仕事であり、アレンジがコケれば、それまでの作詞作曲歌唱演奏に関わった音楽家の努力が水泡になってしまう、非常にプレッシャーのかかる仕事だ。スポットライトを浴びることは少ないが、作品の最終的な仕上げを行うという達成感も高い仕事でもある。あまり音楽に詳しくない方に「アレンジャー」という仕事を説明することは難しい。...

演歌歌謡曲を制作する側が、世代間の手を離してしまっているかもしれない。

最近の晩酌のお気に入りは「尾鈴山 山ねこ」だ。下北沢の行きつけの「Perry's Bar」のマスターに教わった焼酎だ。と言いつつも、普通に居酒屋や割烹店などでよく目にする焼酎なので、希少価値があったり高価であったりしないが、飽きのこない味が魅力だと思う。それと香りが売りらしく、芋焼酎らしいフルーティな香りも疲れ切った脳を癒してくれる。ロックでも水割りでもお湯割りでもいける気軽さもカジュアルでいい。その下北沢の...

演歌歌謡曲業界の界隈がザワついている。

なぜ、演歌歌謡曲業界の界隈がザワついているかというと・・・今年、日本作曲家協会と日本作詩家協会の共催で行われる「ソングコンテストグランプリ・2017」において、グランプリ曲が「鳥羽一郎」さんの新曲として日本クラウンより発売されることが決定しているからだ。演歌歌謡曲業界において、作詩と作曲が分業化されている関係で、作詩部門の募集で2編の最優秀詩を選び、それを課題詩にして作曲部門の募集を行い、最終的に2曲...

「過圧縮ポップ」と「圧縮歌謡曲」

僕は、Kindle Paperwhiteというタブレット端末を持っているが、これは電子書籍を読むことに特化している。読書好きな僕としては、本の保管場所を考えなくて良くなり、若干は安く書籍が購入できるので非常に重宝している。今の季節は、晩酌の焼酎お湯割りをチビチビやりながら、Kindleでの読書が格別だ。それはさておき。自分で言うのも何だが、僕のアレンジの特徴は展開が多いことだと思う。1曲の中にいろいろな要素を入れて混ぜ...

ラテン音楽は体験型エンタテイメントだろうか?

昨日は久しぶりに休肝日にした。休肝明けの今晩は何飲もうかと、今からちょっとワクワクしている。ウイスキーのロックもいいけど、赤ワインもいいなぁ・・・なんて、ああでもない、こうでもないと。ラテン音楽といえば、南米の陽気な音楽を思い浮かべる人も多いだろう。それは間違いではないが、アフリカからの奴隷貿易の中継点だったキューバから、北中米南米各地に奴隷と共に広まった、アフリカの主にバントゥー系民族の伝統音楽...

今更ながら「モノからコトへ」

ワインとか泡盛とかスコッチとか色々書いてきたが、最近は冷え込みが厳しせいか、歳のせいか、焼酎のお湯割りばかり飲んでいる。最近のお気に入りは「問わず語らず名も無き焼酎」。どんな料理にも合う、シンプルな味わいが気に入っている。ところで、時代は「モノからコトへ」と価値観が変わってきているそうだ。ざっくりと言えば、ブランド志向のモノを消費するライフスタイルから、体験する事の重きをおくライフスタイルに、現役...

さすがに少し燃え尽きたかも・・・

ここのところ、非常に忙しかった。編曲の締め切りと、そのレコーディングがほぼ同時に何曲も重なった。ヒマな時もあるのに、なんで仕事がくる時は集中するのだろう。いや、このご時世、仕事頂けるだけで非常に有り難いことなので、文句言ってはいけないいけない。レコーディングも、生のストリングスと女声コーラスのダビングで棒を振ってみたり、Vocalダビングのディレクションをしてみたり。しかし、生のストリングスはテンショ...

僕ら音楽家は驕っていたのかもしれない。その3

深堀りする、なんて啖呵きったわりには前回の更新から随分と経ってしまった。少々忙しかったせいでもある。しかし、前回の記事に「そんな時代に、僕ら音楽家が何ができるのだろうか。」と書いたことを、ずっと考えていた。僕ら、というより僕は、実は何もできないのではないか。できる力はないのではないか。今、目の前にある作品に力の限り取り組むしかないのではないだろうか。音楽が何かを変えるというより、音楽を通した「人の...

僕ら音楽家は驕っていたのかもしれない。その2

前回のブログに書いたように、もう少し深堀りしようと件の記事を見ていたら、ふと気がついた。2013年の次の2014年の統計が抜けていて、次が2015年になっている。元ネタである日本レコード協会の統計からも抜けている。2013年から2015年の間に音楽の「無関心層」が増える何かがあったに違いないと思って考えてみた。僕なりの結論は、消費税の増税。物価の変動などを考慮した指標で、くらしの実感に近い実質賃金は4年連続のマイナス...

僕ら音楽家は驕っていたのかもしれない。

Yahooトピックスで見た方も多いかもしれないが、音楽離れは「有料の音楽」離れに限らず「音楽そのものから距離を置く」という記事について。時間が経過するとYahooトピックスのリンクがきれるかもしれないので、その記事の元はこちら。音楽を生業とする者としては、気になる記事だ。日本レコード協会が毎年統計をとっている「音楽メディアユーザー実態調査」の最新の結果が発表され、それを受けて上記サイトの管理人がそこから分析...

心の数値化・・・

3月からアレンジャー人生始まって以来の忙しさだった。最高で歌もの7曲を同時並行して作業していたときもあった。今も3曲かかえて、尚かつ劇伴(劇中伴奏音楽)の作曲の仕事も始まったのでヒマなわけでは無いが、一時期と比べて一息つける状況にはなってきた。我々の職業は「忙しい=収入が増える」なので、本来はこの状況はウェルカムなのだが、それにしても忙し過ぎた。そのせいか、脳味噌が高速に回転するときに疲労感を感じ...

良い音と楽な音

今はAFN( American Forces Network、米軍放送網)というのだが、昔はFEN(Far East Network、極東放送網)と言っていた。今から30年以上前のこと。エアコンも無く窓を開けっ放しでのドライブで、AMのモノラル放送であるFENを、ダッシュボードの真ん中あたりにあるフルレンジの1スピーカーで大音量(のつもり)で聞いていた頃。昔は良かった的な話をする気は毛頭ないが、しかしそれは僕のミュージシャンとしての原風景の1つだ。...

結果が出るまでやりきる能力

最近つくづく思うのが「結果が出るまでやりきる能力」が音楽家には必要ということ。楽器や歌の練習や、創作脳を作ることや、音楽業界的人間関係も含めて、形になるのに時間のかかることが多い。1万時間の法則という考え方があるそうだ。毎日4時間ずつ取り組んだとして、約6年10ヶ月かかる。飽きっぽい人やリセット癖のある人には向いていない。もっと言えば、臨機応変で柔軟な人にも向いていない。不器用に「自分には音楽しかな...

アレンジャーという職業は「おわコン」なのか?

結論から言えば、音楽制作におけるアレンジ(編曲)というプロセスは終わることはないが、職業としてのアレンジャー(編曲家)は、近い将来に本当に「おわコン」になる可能性は高いと思う。正確には、近い将来は「アレンジしかしないよ」と言う人には仕事のオファーが来なくなるかもしれない、ということだ。演歌歌謡曲業界でさえ、現在は俗にいう「書き」しかしない、詳しく言えばスコア(総譜)を書いてスタジオでオーケストラを...

TV時代劇「大江戸捜査網」の劇伴

「大江戸捜査網」とは、1970年から1984年まで東京12チャンネル(現 テレ東)で放送された、時代劇である。時代劇の定番である勧善懲悪をテーマにしながらも、当時人気のあったアメリカのTVドラマである「スパイ大作戦」と「アンタッチャブル」のエッセンスを取り入れた、当時としては斬新なアクション路線の時代劇だった。現在はBSジャパンにおいて平日のAM9:00より再放送されている。脚本や演出やキャストとかについては他の識者...

Spotifyは、いったいいつ始まるのかねぇ・・・

Sotifyのサイトを見ると「日本でのサービス利用は現在準備中です!」との大きい文字が・・・がっかりしつつも、しっかり開始のお知らせ用にメルアドを登録して、指折り数えて待っているわけだが。欧米では、CD→DL→ストリーミングという流れで音楽の聞き方が変化してきているようだが、日本はどうだろう?どうやら日本ではDLがあまり普及しなかったようだ。ガラ携で着うたで音楽を聞く日本独特の方法が、最近まで続いていたせいだと...

iTuesの音質を著しくグレードアップする「Amarra3.0」

以前「iTunesの音質をグレードアップするには・・・」という記事を書いたが、そこで取り上げた、Sonic Studio社のAmaara が3.0にバージョンアップした。最大のトピックは、DSDプレイバックだ。iTunesからAmarraのプレイリストのキャッシュに読み込み、そして再生するので、iTunesではなくAmarraのオーディオエンジンの音で聞けることになる。残念のことに、僕のオーディオインターフェースはAvid社のHDI/Oなので、DSDの再生ができ...

敢えて「CD」という選択肢はあるか?

ここ数年、ネットでCDに関するアンケート絡みの記事を目にすることが増えた。「なぜCDが売れない?」とか「10代20代の若者にCD購入経験について聞いてみた」とか。CDがメディアとしての終焉を迎えつつある、という見方が根底にある記事が多いように思う。投票券とかPVとかインタビュー画像とか、プラスアルファを付けないと売れないと考えられているようで、最近はタオルや携帯ストラップなどと並ぶグッズの1つと考える業界関...

ハイレゾを意識したプロダクションとは?

僕が最初にハイレゾ配信を知ったのは、4年前の Inter BEE と呼ばれる年一回幕張で開催される国際放送機器展だった。その頃にはまだ試行錯誤の段階であったが、世界各国でハイレゾ配信を始めていた。ハイレゾを意識したプロダクションは各DLサイトを運営するレーベルが任意に行っているようで、大手レコードメーカーが予算をかけて制作していないようだった。当然予算が限られるので、Inter BEE のセミナーでその音を聞いたが、音...

ハイレゾ音源を購入してみた。(その3)

ハイレゾ音源を購入してみた。(その1)(その2)はこちら。Emperor/Fantasy-Beethoven&Schumann / Berliner Philharmoniker and Daniel Harding and Yundiを聞いてみた。2000年のショパンコンクール1位の天才中国人ピアニスト、というより超イケメンで有名な「Youdi Li」のベートーベンのピアノコンチェルト「皇帝」。そしてハーディング指揮のベルリンフィルとの競演。もちろん音楽の内容も素晴らしいのであるが、評論家でな...

ハイレゾ音源を購入してみた。(その2)

前回の記事ハイレゾ音源を購入してみた。(その1)はこちら。今度はキチンと購入音源の話。購入したのはアルバム2つ。1、Gaucho / Steely Dan (WAV 192kHz/24bit)2、Emperor/Fantasy-Beethoven&Schumann / Berliner Philharmoniker and Daniel Harding and Yundi(WAV 96kHz/24bit)先ずは「Gaucho / Steely Dan」から。こちらはこの音楽業界に足を踏み入れた頃から聞き続けている「My Reference Music」だ。PAエンジニアをや...

ハイレゾ音源を購入してみた。(その1)

ハイレゾ音源をe-onkyoからDLにて購入してみた。ハイレゾとは、「high resolution/ハイレゾリューション」の簡略した言葉で、意味は「高解像度」という意味だ。CDの解像度は、量子化(クォンタイズ)ビット深度が16bitで、サンプリング(標本化)周波数44,1kHz。ビット深度の16bitはともかく、サンプリング周波数は理論上は44,1kHzで充分なはずだ。なぜなら、健康な人間の聴覚で感じられるもっとも高い周波数は20kHzと言われてい...

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Deep寿

Author:Deep寿
フリーランスの作編曲家
たまにピアノ弾き

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