僕が最初にハイレゾ配信を知ったのは、4年前の
Inter BEE と呼ばれる年一回幕張で開催される国際放送機器展だった。
その頃にはまだ試行錯誤の段階であったが、世界各国でハイレゾ配信を始めていた。
ハイレゾを意識したプロダクションは各DLサイトを運営するレーベルが任意に行っているようで、大手レコードメーカーが予算をかけて制作していないようだった。
当然予算が限られるので、Inter BEE のセミナーでその音を聞いたが、音質は良かったがソフトとしての魅力に欠けている様に感じた。
いろいろな実験的な試みがされていて、当然素晴らしい音楽もあったが、ややマニアックな域にとどまっているように感じた。
ここ数年は大手レコードメーカーもある程度の予算をかけてハイレゾ音源のソフトを制作している。
だが、過去の音源のハイレゾ化はマスター音源の音に左右されると思う。
経年劣化したアナログマスターテープか、それを修正しデジタルアーカイプ化したものか、若しくはDAT(48kHz/16bit)U-MATIC(44.1kHz/16bit)などの当時のデジタルメディアか、どちらにしてもハイレゾ化には相応しくない状態の可能性がある。
こちらにも書いたが、ハイレゾ化することで作り手の意志に反するようなサウンドになることもありえると思う。
まあ、コンディションの良いアナログマスターテープがあれば、ハイレゾ化の意味もあるとは思うのだが・・・
ここ数年の録音であるならば、ProToolsで録音している可能性はかなり高いと思う。
また、2014年の録音ならProTools HDXである可能性も高い。
録音の最初の段階からハイレゾの規格、例えば「96kHz/24bit」で行えば、マスタリング(ハイレゾでもそう言うのかな?)まで、サンプルレートやビット深度をコンバートしないで行える。
作り手がスタジオで聞いているそのままの音がリスナーに届く可能性が高まると言う訳だ。
そして、作り手がよりハイレゾを意識したプロダクションを行えば、音楽の可能性も広がっていくかもしれない。
音の倍音成分の忠実な再現は、演奏している空間の「空気感」をリスナーにより強く伝えられるからだ。
例えば、ホールで聞いている臨場感たっぷりのクラシック音楽とか、息づかいや繊細なタッチやピッキングが感じられるアコースティクサウンドとか、目の前で演奏しているような白熱のインタープレイとか・・・
まだまだ試行錯誤が続くであろうハイレゾ配信を、これからも注視していきたいと思う。
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