ここ数年、ネットでCDに関するアンケート絡みの記事を目にすることが増えた。
「なぜCDが売れない?」とか「10代20代の若者にCD購入経験について聞いてみた」とか。
CDがメディアとしての終焉を迎えつつある、という見方が根底にある記事が多いように思う。
投票券とかPVとかインタビュー画像とか、プラスアルファを付けないと売れないと考えられているようで、最近はタオルや携帯ストラップなどと並ぶグッズの1つと考える業界関係者人も多いようだ。
確かに、非圧縮16bit44.1kHzの解像度はmp3など圧縮音源より良いが、音質は利便性に勝ると考える人は、よほど音楽が好きな人に限られるかもしれない。
ところで、一般的にはDLで購入した音楽データはどこに保存されているのだろうか?
スマホやガラケーやタブレットだったら、SDカードやSSD(ソリッドステートドライブ)が多いと思う。
どちらもフラッシュメモリーに記録するのだが、書き換え寿命というものがあり、10000回程度の書き換えで寿命が来るようだ。
製品による差と使用する個人差はあるが、システムドライブなどメインのストレージとして使用する場合は、3年から5年で寿命だろう。
また、放電などでデータが自然消滅することもあるようだ。
この問題をクリアするためAppleなど関連各社は、クラウドにデータを保存して。ストリーミングや、一時的にクラウドからDLしたりして、音楽を楽しむ工夫がされている。
YouTubeなどもストリーミングなので、同様だ。
しかし、パケ・ホーダイみたいなパケット定額サービスが無くなる方向にあり、Wi-Fiで繋がれる環境なら良いが、他の回線だとストリーミングではパケット代が気になる。
簡単にあまり意識せずにWi-Fiが繋がる首都圏は良いが、日本中どこでもいつもの音楽は楽しめるわけにはいかない。
クラウドから音楽データを入れ替えるにしても、回線と繋がる必要があるし。
そもそも、データ保存をクラウドに依存していて大丈夫だろうか?
クラウドのデメリットでググると、3つほどのリスクがあるそうだ。
1、サービスの持続性のリスク
2、情報セキリュティー面のリスク
3、カントリーリスク
クラウドのサーバがどこの国のどこにあるか、またネットインフラが健全であるか、いろいろ外的要因でのリスクがあるようだ。
とにかく、何らかの理由でサーバがダウンしたら終わりということだ。
僕のように、作編曲の仕事している人間にとって、データの消失はあってはならないことだ。
しかし、何度もHDDがクラッシュした経験があるので、バックアップを意識して、常に複数のHDDに保存している。
HDDはモーターで駆動する部分の摩耗や劣化があったり、熱に弱い電子部品が経年劣化したりで、音楽制作でハードな使い方をすると2、3年で寿命が来るように思う。
データはデジタルでも、アナログなところに弱点があるのが現実だ。
そんな感じで、過去のデータの蓄積も含めると17枚のHDDとSSDを使っている。
その上最近の仕事のデータは、ファイヤーストレージというクラウドに有料で保存している。
本気で、個人でデータを守ろうと思うと、金がかかってしょうがない。
そんなことをつらつらと考えていると、「CD」というのは音楽データのかなり安心な保存方法だと、ふと思った。
紫外線による樹脂部分の経年劣化があるにしても、1982年に生産開始して以来、僕は経年劣化してデータが読めなくなった話は聞いた事が無い。
ということは、30年以上は大丈夫ということだ。
音楽データを読み込む面倒さはあるが、ネット環境やHDDやSSDの寿命に影響されないことは、大きなメリットだと思う。
iTunesなど便利なアプリケーションもあるし。
まあ、場所塞ぎという欠点はあるが・・・
でも、CD自体の価格も安くなって来たし・・・
敢えて「CD」という選択肢もあると思う。
ストレージという意味で。
- 関連記事
-
コメントの投稿