「Waves Q1」とは、Wavesという会社が作っているプラグインで、1バンドだけ音をイコライジングするプラグイン。
僕は主にPT(ProTools)において、TDMという規格のプラグインとして使用している。
音楽のエンジニアリングの話で少々マニアックなので、興味ない人は読み飛ばしてね。
PTで日々音づくりをしていると、便利なプラグインで音をこねくり回したい誘惑に駆られる。
その誘惑に負けて、その時は自己満でも、朝聞いて余りにしょぼい音でやり直し。
ああ、何度繰り返した事だろう・・・(遠い目)
ある時、練習で自分に縛りをかけてEQ(イコライザー)はWaves Q1だけでミックスした。
それが、案外すっきりした音になった。
単に低い周波数が干渉しあうレゾナンスが減ったばかりでない。
音色によっては、その音の基音のある低域を調整することで、その倍音のある中高域も整理されていく事もあるようだ。
やっぱり、プラグインも挿すほど失うものもあるようだ。
PT(当時の)は整数演算だから、小数点以下が切り捨てられて演算の精度が落ちるから、音もプラグインを挿すほど原音の倍音列がだんだん曖昧になってくる。
それから、自分の脳内では「男気ミックス」と思いながら、それもHPF(ハイパスフィルター)をメインに最小限でEQをするようになった。
しかし、低域がなんであるかまだまだ解っていなかった。
先月の
サウンド&レコーディングマガジン2月号で、僕の好きなエンジニアの渡辺高士氏の記事「「低域」にまつわる考察」が秀逸だった(アフィリエイトじゃないよ)。
シンバルなどの低域にHPFをかけるのは必須と思い込んでいた。
しかし、シンバル等の瞬間的な低域は楽曲全体に無駄なピークをもたらす訳でなく、むしろ低域があるなしで人間は脳内で遠近感を感じているのでは、とのことである。
確かに、あまり盲目的に低域をHPFでカットしていると、音が遠ざかっていく。
今の仕事でのミックスでアコギにざっくりHPFをかけていたが、低域をシェルビングで3dB程しぼる方向にした。
確かに、音が前に出て来る。
キックとかスネアやベースなんかとタイミングがちょっぴりズレていれば、確かに変なピークはでない。
僕のなかで「男気ミックス」の概念が変わった。
しかし「新男気ミックス」のため、精進の日々が続く・・・
今日の晩酌はいつもと感じ。
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