最近つくづく思うのが「結果が出るまでやりきる能力」が音楽家には必要ということ。
楽器や歌の練習や、創作脳を作ることや、音楽業界的人間関係も含めて、形になるのに時間のかかることが多い。
1万時間の法則という考え方があるそうだ。
毎日4時間ずつ取り組んだとして、約6年10ヶ月かかる。
飽きっぽい人やリセット癖のある人には向いていない。
もっと言えば、臨機応変で柔軟な人にも向いていない。
不器用に「自分には音楽しかない」と思い込んで、無様でボロボロになっても、なんとかしがみついていける人が向いている人なのであろう。
そして、やりきった結果が「失敗」であったとしても、一歩前進と思い込める鈍感さが必要だと思う。
まあ人生論的な話はおいといて、アレンジや打ち込みの方法論として「結果が出るまでやりきる」ことは大切だと思う。
あの要素も、この仕掛けも、あの音色も、なんて欲張るといつまでたっても完成しない。
あれこれ味見する、みたいなアプローチでは、何が言いたいのか見えなくなってしまう。
確かに細部に神は宿るのだが、パッと聞いてグッと来なかったら、それも本末転倒になる。
長嶋さんみたいな言い方だが、不思議なことにプロのミュージシャンにはそれで解る共通認識がある。
何がグッとくるのか解らない人は経験不足なのであろう。
まあとにかく、そんな何が言いたいのか解らない中身の無い音は、ただの環境音にしかならないと思う。
なので、先ずは頭に浮かんだイメージが形になるまでやりきる。
途中経過のまとまらない音に嫌気がさしても、黙々とやりきる。
そして、やっぱりダメという結果なら、失敗も前進だと思い込んでやり直す。
そしてそのトライ&エラーを繰り返しているうちに、気がついたら完成していた、ということだと思う。
それが出来る、良く言えば強い精神力、悪く言えば鈍感力が、ものを創ることにおいての必須条件だと思う。
でも、たまに自分的には納得の出来でも、クライアントに全否定されるときもあるかもしれない。
それでも、相手の言葉に理があるはずなので、それを咀嚼して黙ってやり直す。
より良いものにするチャンスと思える鈍感力が大切だ。
やはり「結果が出るまでやりきる能力」が音楽家には必要だと思う。
あと「飲み」の誘惑に打ち勝てる能力が必要かも。
その誘惑に耐えて仕事する。
実はそれが一番必要な能力だったりして。
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