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「作編曲家的忘れる力」とは?

一般的には「忘れる力」とは、ネガティブな事や感情を一旦忘れて、今すべきことに集中して高いパフォーマンスをだして成功するための方法論を云うようだ。

また脳科学的に、詰め込みすぎずに適当に忘れて、ほどほどの記憶容量にとどめておいた方が脳の為に良いような考え方もあるようだ。

しかし、僕の思う「作編曲家的な忘れる力」は、成功体験を忘れてネガティブになりましょう、という意味だ。



具体的には、仕事を依頼する側は、過去の良い仕事ぶりから判断してオーダーする場合、または継続的な信頼感でオーダーする場合が多いだろう。

飲み屋で初対面なのに意気投合しての仕事のオーダー、なんてパターンは意外に少ないように思う。

そんな小説のような夢物語はあったらいいなと思うが、現実は世知辛い。

作編曲の仕事は完全オーダーメイドなので、依頼する側も慎重だ。

話はずれたが、どちらにしても依頼する側が過去の仕事を知っているので、過去の仕事と今の仕事を比較されてしまうことは確実だ。

いくら過去の仕事が「成功体験」であっても、同じ方向性で仕事してしまえば作品的には同レベルとしても
「手を抜いたな」と思われる可能性が高い。

しかし、作り手側も人間だから「成功体験」にどうしても縛られてしまう。

やはり、人間褒められれば気持がよい。

そして、褒められた記憶があるが故に、無理せず冒険せずに「守りの曲づくり」をしてしまうわけだ。



その「成功体験」の無限ループから脱出する為にはどうするか?

それが「作編曲家的な忘れる力」だ。

先ずは、どんなに褒められても自分の過去曲に対してはネガティブになること。

何度も聞き直して徹底的に問題点を洗い出して、もう少し良く出来たのではないかと後悔して、思いっきりネガティブになる。

そして、次の曲こそ納得する作品にしてリベンジしてやる、なんて思うと自然に気持がハングリーになってくる。

俺はこのままじゃ終わらないし、終わらせない。

そのハングリーさが「攻めの曲づくり」に繋がる訳だ。



僕の思う「作編曲家的な忘れる力」とは、成功体験を忘れて過去曲に対してネガティブになることだ。

そして、晩年になるほど攻めの作品づくりができる、いつもハングリーな作編曲家でありたいと思う。

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