例えば、久しぶりに訪れたお店の味がなんか落ちたなと思うこと。
落ち着けるバーだと思っていたのに、内装が変わって客層が変わり、騒がしいお店になってがっかりしたこと。
役者や歌手の公演に行って、以前より芸の力が落ちたな、と感じたこと。
きっと多くの人が感じた経験があることだと思う。
知り合いのミュージシャンのライブに行って、腕が落ちたりとか、チャレンジが無くなってつまらなくなったりとか、そんな時はこんな僕でもちょっと落ち込んでみたりする。
衰えていく仲間の姿を見るのは悲しい。
そして、現状を維持することは思ったより難しい。
例えば、代々受け継がれた老舗の味とか技とか。
初代のとんでもない技術とか、手間ひまかける手順とか、拘りとか、例え血を受け継ぐ者であっても同じことを続ける事は難しい。
顧客やファンの評判や批判。
売り上げが上がったり落ちたり。
人の心は移ろうもので、それに右往左往するのが人間であると思う。
そんなに、誰しも強くはない。
現状を維持すること。
移ろう時代や人に流されることなく守り続けることなのか。
今の自分が去年の自分より成長していると確信しても、他人には現状維持にしか見えない事もある。
過去の自分を壊して新しいことにチャレンジして行くことが日常であるならば、変化することが現状維持なのであろう。
もしかしたら、何があっても変えずに守り続けることがマインド的に攻めのチャレンジならば、守りも変化も手段の違いだけであって、根本は同質なことなのかもしれない。
1つ1つに守るか変わるかの選択をし続けて、尚かつ評価して頂けて、それでようやく現状維持なのであろう。
大したことのない僕でさえも、選択を先送りし惰性で今までのやり方を続けて「Deep寿もなんだか劣化してつまらなくなった」と思われることが、なんだか恐ろしい。
時々、そんな悪夢をみてしまうこともある。
現状を維持することは、実はとても難しく厳しいことだと、強く思う。
作編曲家 Deep寿 の Web Site はこちら。
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