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今更ながら「モノからコトへ」

ワインとか泡盛とかスコッチとか色々書いてきたが、最近は冷え込みが厳しせいか、歳のせいか、焼酎のお湯割りばかり飲んでいる。

最近のお気に入りは「問わず語らず名も無き焼酎」

どんな料理にも合う、シンプルな味わいが気に入っている。



ところで、時代は「モノからコトへ」と価値観が変わってきているそうだ。

ざっくりと言えば、ブランド志向のモノを消費するライフスタイルから、体験する事の重きをおくライフスタイルに、現役世代の価値観が変わってきたという事であろう。

最近注目されている「ヒットの崩壊」という本を読んでみた。

全体として興味深い内容だが、ここで語り始めるとキリがないので、気になったことを書いてみる。

音楽をビジネスとして考えれば、文化的な「モノ」としてのCDヒットは、投票権とか握手券とかの「オマケ」に依存しなければありえない時代になり、体験として「コンサート」「ライブ」「音楽フェス」に、消費の傾向が変わってきているそうだ。

よく考えてみれば、投票も握手も体験だし・・・

そして体験には、楽しみを増幅する「SNS」という仕組みがある。

その体験を、リアルタイムでシェアしたり交流したりできることで、より思い出深い体験になるであろう。

また、画像や動画としてその思い出を反芻することも可能である。




僕は、思うところがあってFacebookもInstagramもやっていないし、Twitterもかれこれ3年ほど更新していない。

そんな僕が語る資格があるかわからないが、「コト」消費への時代の流れは作編曲家として日々の仕事の中で実感している。

先ずは原盤制作費が下がってきているので、スタジオミュージシャンを使っての生音での録音する機会が減り、コンピュータによる「打ち込み」を主として、一部生音で差し替える手法が多くなってきている。

特に、人数とスペースが必要なストリングスとホーンセクション、また強音楽器で強力な防音が必要なドラムやパーカッションなどを使うことは、予算的にかなり厳しい状況になっている。

マンションの一室に制作スペースと2畳程度の簡易防音ブースがあれば、それなりの機材に投資が必要だが、メジャークオリティの音楽を作ることが可能であるからだ。

また、双六で言えば「上がり」であるレコーディング専門のスタジオミュージシャン達は、コンサートツアーなどの方が予算を持っているので、そちらの仕事が多くなっているそうだ。

また、商業スタジオの閉鎖や合併も多くなってきて、経営が厳しい話も耳にする。



しかし、それは全てをネガティブに捉えることだろうか。

体験として音楽を楽しむことは、原点回帰であるので、音楽家として望むところではないだろうか。

今までの手法が時代遅れになるだけで。

何もフェスやコンサートやライブだけが、音楽の体験ではないと思う。

よく考えてみれば、CDだろうが、YouTubeiTunesSpotifyPrimeMusicだろうが、TVやFM放送でも、それを聞いている時は体験に違いない。

問題は、多くの人が音楽だけの体験では価値が足りないと感じているので、その時でしか味わえない何か、例えばライブ演奏やダンスなどが必要なことであろう。

それが停電とか、開演時間の遅延とかのハプニングでもいいのかもしれない。

僕らは、そこを如何に価値のある体験にするか、その工夫に知恵をしぼらなければいけない。

というか、それができない人材は淘汰されてしまうのであろう。

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